小栗判官説話


 救馬渓観音のある「上富田町」は、熊野本宮への参拝道である「中辺路」と「大辺路」の分岐点に位置していることから、昔より「口熊野」と呼ばれ、多くの伝説や説話が残っている。とりわけ、この上富田町、特に生馬の地方にゆかりが深いのが「小栗判官」である。

 小栗判官は室町時代の人物であるが、その物語は江戸時代に近松門左衛門が書き下ろした人形浄瑠璃「当流小栗判官」が大ヒットした事により一躍有名になる。現在では市川猿之助氏がスーパー歌舞伎「スーパーオグリ」を上演したことで再び脚光を浴びている。

 その物語は、神奈川県藤沢市で毒殺された小栗判官が生き返り、湯治のため紀州熊野の「湯ノ峰温泉」を訪れる。といったものであるが、脚色された部分もあり、その生い立ちなどは物語によってまちまちであり、不明な点も多い。しかし、この熊野街道を通って湯之峰に来た事だけはどのストーリーも全く同じである。

 現在の湯之峰温泉には小栗判官が蘇生したという「壺湯」や箱車を埋めたという「車塚」、又、蘇生した小栗判官が力を試したという「力石」など数多くの史跡が残っている。

 ここ生馬は、小栗判官の愛馬が生き返ったと云うことで「生馬」と名付けられ、「救馬渓観音」の寺名も愛馬が救われたことに感激した小栗判官が名付けたものであるという。



 それでは当山に伝わる小栗判官説話の はじまり はじまり



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